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第六回は、石川県白山市のあさがお保育園で保育士をされている澤本千恵美さん。
「明日も爽やかに!」をモットーに、笑顔あふれる保育園です。
澤本さんはクラスリーダーを務めていて、子どもたちから学ぶこともたくさんあると笑顔で話してくれました。
そしてご自身のお子さんとの接し方についてもうかがいました。


Vol.06
Education
あさがお保育園
ASAGAO Nursery
2018.08.24
Chiemi Sawamoto
CHAPTER /
01
子どもたちの年齢に合った1日を


高校生のときに、友達と一緒に大学のオープンキャンパスへ行ってみたんです。そのとき保育学科が行なっている実習を見ることができました。
その様子がとても楽しそうだったんですね。子どもたちと一緒に折り紙を折ったり、絵本を読み聞かせていたりして。それで保育の仕事に興味を持ちました。小さいときからピアノを習っていて、それも活かせそうだなと思ったんです。
はい、そうです。まずは幼稚園教諭として市内の幼稚園に勤務しました。それから結婚・出産を経て、いま勤めているあさがお保育園へ入ることになりました。保育の仕事はずっとやりたかったことなので、とても充実した毎日を送っています。
早番と遅番があるのですが、早番の場合は6時半ごろに園へ来ていますね。
そうですね。空調の電源を入れて回ったりお掃除をしたり洗濯物の整理をしたりと、あっという間に時間は過ぎていきますよ。子どもたちの様子を記した帳面があるので、それを確認して個別の体調やご機嫌を知っておきます。
7時ごろから子どもたちが来園してくるので、そこから保育のスタートとなります。0・1・2歳児と3・4・5歳児のクラスに分かれて移動します。私の受け持ちは、2歳児のひまわり組です。9時半ごろから朝のおやつをみんなで食べます。
0・1・2歳児は午前中に果物やコーンフレーク等、簡単なおやつを食べます。そのあと、10時くらいから身体を動かす活動を開始します。
遊戯室やプールで思い切り遊んだあとは、お片付けをしてトイレやおむつ交換を済ませます。そのあと給食を食べて、お昼寝タイムです。
子どもたちを寝かしたあとに、連絡帳や日誌等を書いています。15時前位くらいから起きてから、今度は午後のおやつを食べます。その後はお迎えがくるまで身体を動かして遊びます。
身体のエネルギーを十分発散できるように、広い場所へ行って思い切り動き回ります。いちばん遅いお迎えは、19時くらい。子どもたちを見送ったら、私の一日の業務も終わりになります。
CHAPTER /
02
目を輝かせる子どもたちから学ぶこと


そうです。あさがお保育園には、保育方針の三本柱があります。
・健康で元気なこども
・思いやりのあるこども
・考え努力できるこども
これらを目標として、保育士は日々子どもたちに接しています。
地域や保護者へも、「私たちはこういった考えで保育をしています」というメッセージで、職員会議の際にはこれら目標を再確認する時間を設けています。
日々の業務でも常に思い返すようにしていますよ。
「いつも笑顔でいる」ということですね。挨拶はもちろん、みんなとの会話も楽しいものになるよう笑顔を心がけています。
あとは、子どもたちの目線に立つということ。「興味や関心のあることはなんだろう」と想像しながら、日々の活動に取り入れるようにしています。わくわくすることを始めると、みんなの目の輝きが違いますからね。
特に視覚的に刺激のあるものにすると、喜んでもらえることが多いです。「私自身がやって楽しいもの」というのも一つの基準にしています
去年は5歳児クラスの年長さんの担任でした。あさがお保育園では、年間を通して4・5歳児はドッジボールをしています。もちろんボールは軽くて小さくてよく跳ねる子ども用のものです。
最初、私は軽くやっていたんですが、だんだん本気になって子どもたちとガチンコで対決したんです。
私がボールを持つと子どもたちの目の色が変わって「来るぞー!!」と大声で逃げて、子どもたちのボールも本気で受け止めて。このときは夢中になってしまいました。すごく楽しかったです。
身体が小さいというだけで、大人と変わらないように思います。私が別の先生と相談ごとをしていると、それを聞いていた子どもが自ら積極的に動いてくれるんです。泣いている子がいたら、私より先にティッシュを持っていって慰めてくれる子もいます。
先日の七夕のときに、笹を教室へ持っていったんです。笹飾りするための小さいサイズのものです。「どうやって笹飾りしてもらおうかな」と考えながら教室に入ったんですが、笹を見た途端、子どもたちの目がキラキラするんです。
「あれ、笹を見ただけで興味を示してくれるんだ」と私のほうが驚きました。大人は笹を見たくらいでは目をキラキラさせませんよね。私たちが気にならないようなことも子どもたちには刺激になるんだなあと、改めて感じました。
複数担任制を取っていて、私のほかにも担任がいます。自分が思いついたことを別の担任の方へ相談してみると、違うアイデアを聞けることもあります。
接している子どもの印象も、担任によって異なるんですよね。子どもは人によって見せる姿が違うんです。そういったことを共有すると自分の世界がどんどん広がっていきます。日々発見があって、面白いです。
CHAPTER /
03
みんなで喜びを共有し合う


娘が2人いるんですが、一緒にクッキングしているときが楽しいです。もともとお菓子作りが好きで、上の5歳の子に手伝ってもらいながらやっています。
すると下の3歳の子も「私もやりたい」とくっついてくるんですね。フルーツの飾り付けなんかをお願いすると、我慢できずにつまみ食いしちゃう。それを見たお姉ちゃんが「ダメでしょ!」と怒ったりして。かわいいなあと思います。
あとはたこ焼きパーティーをしたり、絵本の読み聞かせをしたり。こうして振り返ると、家で楽しむことが多いですね。
そういえば、去年のクリスマスくらいに、家族でディズニーシーへ行ったんです。上の子に「年長になったら行こうね」と約束していたんです。すごく喜んでいたし私も楽しくて。良い思い出になりました。
ごはんを食べたりお風呂に入ったりなど一緒になったときは、たくさん会話するようにしています。帰りが遅くなって、子どもたちが先に寝てしまっていることもありますから。顔を合わせたときはきちんと話をしたいなと。
寝る前には、絵本の読み聞かせをしていますよ。甘えたい年頃ですから、たっぷり甘えさせて一緒にいる時間を大切にしています。
すると今度は、上の子が下の子へ絵本を読んで聞かせているんです。日常で私にしてもらっているからですね。親のマネをする姿が、見ていて面白いです。
春から初夏には、園の子どもたちと一緒によく散歩へ出かけていました。そのときアジサイやシロツメクサが咲いていたり、つくしが生え揃っていたりするのを、みんなで立ち止まって見ていました。
草花を見て感激したり、虫を見つけて驚いたり。そんなふとしたときに、子どもたちから「楽しかった」と聞けた瞬間はなによりも嬉しいんです。
普段生活していると、自然をゆっくり感じる時間もなかなか取れません。そういったものへ子どもたちと一緒に目を向けて、みんなで喜びを共有できたとき。そんなときが、私だけでなくみんな一緒になって輝いている瞬間だと思います。

CHIEMI SAWAMOTO
澤本千恵美
石川県白山市出身。短大卒業後、幼稚園に勤務。結婚・出産後、あさがお保育園へ勤務する。
幼稚園では経験できなかった、0歳・1歳・2歳クラスの保育を経験し、現在は0歳~5歳までのオールマイティ的な存在。
副主任としての仕事と、家庭の両立を楽しんでいる。